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小栗に聞きたいことがあった。
だからここに戻ってきた。
しかし、一晩中悩んで決めた決断の朝、
既に彼は昨夜のホテルにはいなかった。
その足で、小栗の行き先を知っている人物の元へと向かう。
きっと今頃はベッドの中で幸せそうな寝息でもついているだろう。
しかし、
相手の予定など、知ったことではない。
「帰った?もう?!」
「小栗なら、早朝の便で帰るって言ってたけど、なんかワスレモノ?」
面倒くさそうに酒臭い息を吐く男がいう。
白のホテルガウンを素肌に着ているが、
肩がなで肩のせいか、胸板が薄く肌が白すぎるせいか、
貧相な体系に見えて似合っていない。
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