キスフレ2nd kiss Vol.28

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「小栗の忘れ物を届けに行きたいんだけど、 今小栗ってどこにいるのかな?」 「ええ?なに?聞こえない」 ノイズ音と、時折無音が繰り返された。 「だからーリヨンの小栗の住所を、 教えて欲しいんだけど。知ってる?」 「はい?声聞こえないけど~?もしもーし!!」 無音になった後電話が切れた。 リダイヤルしたが、 彼の電話は電源がOFFへと切り替わっていた。 頼みの綱が切れた。 とうとう、リヨンまで来た意味がなくなるのだろうか? 手帳の中から、 過去にかけたことのある、 GE社のオフィスの番号を探す私に、「何してるの?」 と、尋ねる声が響いた。 声だけで戦慄する。タイミングはやはり最悪。 私の悪運が最強だと実感する瞬間だ。 「ようこそ、リヨンへ」
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