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「式が終わった後の初夜ってやつはですね。
奥さんとの時間を楽しむものなんですよ。
男だけで集まって喋ってる時間は終わり!
さっさと帰る!」
私は彼を無理やりタクシーに
押し込もうとしたがうまくいかない。
小栗が彼の肩をつかみ、
タクシーに押し込むことを手伝ってくれた。
「俺が送っていくから」
小栗に押し込まれた杉田君が車内で騒いでいたが、車は発進した。
部屋までの階段を昇り、家のドアの前。
玄関先に、男の嗚咽が流れてきた。リーダーが、すすり泣いている。
その声は哀しくて、
耳にする者にまで悲しみを連れてくる。
私は静かに階段を降り、砂利道を渡った。
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