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軽い足取りの彼についていき、
玄関脇のGE社の青いマークのついたキーセンサーに
先ほどのカードキーを近づけると、
電子ロックが解除される機械音が響いた。
「あの、ここって
阿部さんの部屋じゃないんですか?」
「小栗君の部屋に行きたいんだろう?
だったら入って」
「どういうことです?」
「入ればわかるよ」
怪訝な顔をする私より先に、彼はドアを開けて身体を挟んだ。
どの扉が閉まる前に私はドアの間に体を滑り込ませる。
扉がぱたりと静かに締まると、
再び電子音が鳴り、また静かになった。
床は扉の外と同じく大理石の廊下が続いている。
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