キスフレ2nd kiss Vol.28

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近くにある24時間のファミレスにでも行こうかと、 通りをとぼとぼと歩き、光の集まるほうへと進んだ。 住宅街を抜け、外堀通りへと出る。 大通り沿いを走る車は耐えることなく、 ひしめき立つビルの中からは、笑い声をあげる人々が 時折吐き出されていく。 楽しげな声が響く中にいるほうが、 今夜は寂しさを紛らせる気がする。 すると、息を切らして私の名を呼ぶ男が 近づいてくることに気づいた。 「佐藤!」そう呼んだ男は、 肩で息をしたまま私の前で立ち止まる。 「ど、どうして?なんで戻ってきたの?杉田君は?」 「ひとりで帰った」 「大丈夫?あの状態で、 このまま歌舞伎町辺りで一人三次会始めてるんじゃないの?」 私は心配になって小栗に尋ねた。 だが彼は無言で首を振る。 「杉田は大丈夫」 「あ、そう。ならいいんだけど」 無言の小栗は俯いたままで私も何を話していいかもわからない。 二人きりの空気が重い。
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