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このマンションのリビングには無駄なものはない。
オフィスの会議室といわれればしっくりする作りだった。
細長いテーブルの中央のくぼみには、沢山の電源が埋め込まれているし、
壁一面のホワイトボードには、まだ消しかけの文字が多数残っている。
ここで小栗が日中とわず仕事に集中しているのだろうという想像は、悠にできた。
「このリビングの奥に小栗君のプライベートルームがあるよ。
まだ帰ってないだろうけれど、好きに入れるから」
言った言葉に疑問を感じ彼に答えを求めた。
「部屋に鍵はない。
お互い秘密をつくらないためにも
互いの部屋を行き来できる作りになってるんだ。
会社の情報を持ち出すことも、此処では出来ないな」
人の会社の情報は盗み出す癖に、自分の会社の情報は漏らしたくない。
バビロンの弱みに付け込んだGE社らしいななどと思った。
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