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「つーか。あいつは、俺と佐藤のキューピッドをやりたいんだって
それで俺は、タクシーを途中で降ろされたってわけで...」
「杉田君が、愛のキューピッド?」
「余計なお世話だって言ってやったんだけどきかなくて」
照れ臭そうに彼はいう。
彼と一体、何を話せばいいのか私にもさっぱりわからないというのに、
杉田君のキューピッドはおせっかいでしかない。
「というより、佐藤はここで何をしてるの?
社長とか、ほかの人は?」
「えーと、理由がありましてですね。
と、とりあえずどっか入ろっか」
説明しづらい私は、此処から離れることにした。
仕方がないので小栗と一緒に時間を潰そう。
彼を即してネオン看板の前の通路に入ろうとする。
「って、ちょっと、佐藤、、ここでいいの?」
と、慌てた様子で私の腕を引っ張るので、
店前を照らす光に視線を向けた。
ビルのネオン看板は居酒屋ではなく、
ランジェリーパブのお誘い看板だった。
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