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「まあ、こういうところのほうがゆっくり話が出来るからいいのかと思って」
「カラオケとかあったと思うけど?」
「空気が悪い閉鎖的な場所って、ニガテなんだ...」
小栗のこだわりを告げられて、
どうすべきか迷った。
元彼と一緒にいる場所としてラブホは全くもって相応しくない。
でも、小栗の考えていることを
知ってみたいという欲もあった。
光るパネルの番号を押したあと、中へと私を案内した。
一体何を企んでいるのだろうか?
彼の気持ちが見えない。
「私たち、その、....」
「ああ、心配すんな、何もしないから。
もう、そういう仲じゃないってわかってるし」
「あ、うんけど、でもラブホって選択どこかおかしくない?これ」
「そんなことないだろ、別に、此処がどこであろうと、関係なく、
手なんか出さないし、佐藤と朝まで喋ってられるって自信ある」
「あ。そう、なんだ...」
爽やかに拒否を告げられて、私は深く傷ついた。
何もしないという輩の言葉を信じたわけではない。
よっぱらった小栗は少々人の道を踏み外すということを
過去の経験から知っていた。
過去にラブホで何をしでかしたかということも、
バッチリ記憶に残っている。
先ほどまでリーダーにお酒を飲まされていたのは
成宮さんだけではない。小栗もである。
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