キスフレ2nd kiss Vol.29

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「スティーヴ?」 「ああ、のっぽのイギリス人。彼らとチームを組んでる」 「なにもなくそのまま入ってきたから大丈夫なのかと思ってた」 事前審査も何もなかった。 あの入り口は裏口だったのだろうか? 「阿部さんはそういうところ、なぜかスルーなんだよね。 開発者全員引き抜いたって言うから GE社は頭が上がらない存在なんだろうけど。 それ以上に何か深い関係がありそうでさ。 まあ、チーム組んでる限り、触らぬ神に祟りなしだからね」 阿部さんは、きっとバビロンをGEに売った人間の一人なのだろう。 藤木社長なら何か掴んでいるかもしれないが、 私が首を突っ込むことではない。 それに結果的に小栗の邪魔をするようなことはしたくはなかった。 エレベーターに乗り込むと、 小栗がスーツケースを押し込み、ゲートのボタンを押した。 「下まで送る」と呟き扉を閉める。
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