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「スティーヴ?」
「ああ、のっぽのイギリス人。彼らとチームを組んでる」
「なにもなくそのまま入ってきたから大丈夫なのかと思ってた」
事前審査も何もなかった。
あの入り口は裏口だったのだろうか?
「阿部さんはそういうところ、なぜかスルーなんだよね。
開発者全員引き抜いたって言うから
GE社は頭が上がらない存在なんだろうけど。
それ以上に何か深い関係がありそうでさ。
まあ、チーム組んでる限り、触らぬ神に祟りなしだからね」
阿部さんは、きっとバビロンをGEに売った人間の一人なのだろう。
藤木社長なら何か掴んでいるかもしれないが、
私が首を突っ込むことではない。
それに結果的に小栗の邪魔をするようなことはしたくはなかった。
エレベーターに乗り込むと、
小栗がスーツケースを押し込み、ゲートのボタンを押した。
「下まで送る」と呟き扉を閉める。
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