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ドアが開き、足音が複数響いた。
日本語ではない言葉が飛び交っているなかに、
ワンポイントのグリーンの馬の刺繍がされた
淡い水色のワイシャツ姿の小栗が部屋へと入ってきた。
小栗の他にネルシャツにメガネののっぽの男性と、
ベースボールキャップをかぶり、
ニューヨークヤンキースのマークがおなかの真ん中に
ドンと張り付いたTシャツを着た小太りの男性が部屋に入ると、
私をみて口笛を吹いた。
白髪の背の高い男性が、私と阿部さんを指さして、
驚いたようなリアクションをしている。
それに阿部さんは笑いながら受け答えをしていたが、
小栗は、困惑した表情を、私と阿部さんに向けていた。
「小栗君にわざわざ日本から会いに来たんだってさ。
なんでも話がしたいことがあるそうだ」
私の肩をポンと阿部さんは叩いて小栗の前へといざなった。
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