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「彼女は今回のプロジェクトとは何の関係もない。
情報を彼女に持ち出させるとかそんなのありえないですから」
「だったらみんなのいる前でオープンにすればいい。
君は既にペナルティ一つ付いているだろう?」
「それは友人の結婚式です。
彼だって、このプロジェクトには関わってない人間だ。
彼女だって、そうだっていうのに?」
「小栗君、僕らがせっかく創りあげた
信頼関係を壊すつもりかい?」
阿部の視線を小栗は受け止めた。
部屋に入ってきた二人の男は口を閉ざしたままだ。
きっと日本語がわからないだけではなく、
この場所で権力があるのは、おそらく阿部なのだろう。
パートナーとは名ばかりで、
阿部がここでの絶対君主なのだ。
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