キスフレ2nd kiss Vol.29

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私はコクリと頷くと照れたように小栗は笑った。 「今の俺は、見ての通りプライベートと 仕事の境界線がない生活をしてる。 プロジェクト成功がなによりの目標だから、 恋人とか創る時間もない。 きっと彼女がいたとしても、 デートする時間があるなら このプロジェクトを終わらせることを優先するだろうと思う。 でも、日本に帰って、 佐藤と会って、 二人きりになって、 ほんの少し魔がさした。 佐藤なら、キスフレになってくれるかも、なんて考えたんだ。 酔った勢いで別れた彼女に対して 変なことを口走ったのは、バカだったと思ってるし、 狡いことをしたって反省してる。ごめん」 「それって、、、誰でもよかったの? 私じゃなくてもキスフレになってくれるんだったら、 誰でもよかったの?」 否定して欲しい、私だったからだって。 あの日求めていたのは、他の誰でもなく、私だったのだと。
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