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私はコクリと頷くと照れたように小栗は笑った。
「今の俺は、見ての通りプライベートと
仕事の境界線がない生活をしてる。
プロジェクト成功がなによりの目標だから、
恋人とか創る時間もない。
きっと彼女がいたとしても、
デートする時間があるなら
このプロジェクトを終わらせることを優先するだろうと思う。
でも、日本に帰って、
佐藤と会って、
二人きりになって、
ほんの少し魔がさした。
佐藤なら、キスフレになってくれるかも、なんて考えたんだ。
酔った勢いで別れた彼女に対して
変なことを口走ったのは、バカだったと思ってるし、
狡いことをしたって反省してる。ごめん」
「それって、、、誰でもよかったの?
私じゃなくてもキスフレになってくれるんだったら、
誰でもよかったの?」
否定して欲しい、私だったからだって。
あの日求めていたのは、他の誰でもなく、私だったのだと。
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