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リモコンでテレビをつけようとしたその時、突然チャイムが鳴った。
誰だろうと思いながら、俺は足早に玄関へと向かう。
生憎外を確認出来るようなモニターはないので、ドアスコープから外を確認すると、スーツを着た二人の男性が立っていた。
一人は灰色のスーツを着た色白の男性で、もう一人はよれよれの黒いスーツを着た目付きの悪い男性だ。
「どちら様ですか?」
ドアを開けると、そのドアの縁を色白な男性が掴み、同時に足をストッパーのように挟んできた。
閉められないようにしているようだ。
俺は思わず警戒して半歩後ろに下がる。
「本庄篤さんですか?」
「はい。そうですが……」
二人は俺の返事を聞くなり、スーツの懐を探る。
「こういう者です」
取り出したのは警察手帳だった。
「え?」
警察が俺に何の用だろうか。
俺が寝ている間に近くで事件があったのかもしれない。
しかし、口に出したのは思いもよらぬ言葉だった。
「あなたを連続無差別殺人事件の容疑者として逮捕します」
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