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映し出されたのは、今俺が居る取調室だった。
しかし、映像の右下には昨日の日付が書いてある。
取調室の椅子に座っているのは、目の前に居る二人の刑事と今のような普段着ではなくスーツ姿の俺だった。
「名前は?」
「本田武史」
顔はどう見ても俺なのだが、本田武史だと名乗るその男は貧乏ゆすりをしながら刑事を睨み付けている。
「本田武史。お前は連続無差別殺人事件の犯人か?」
「だったら?」
あっさりと認めてしまった。
顔はさっきとは違って、口角を上げて笑っている。
「どうして無差別に人を殺したんだ?」
それでも刑事は冷静に本田武史に対して質問する。
「理由なんかねぇよ」
そこで映像は止められてしまった。
パソコンは再び元の机の位置に戻される。
そして、色白の刑事は再びパソコンを打ち始めた。
「あの……本田武史というのは誰なのですか?こんなに俺と瓜二つな人は見たことがない」
かなり奇妙な気持ちだった。
顔は全く同じだが、性格は俺とまるで違う。
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