165人が本棚に入れています
本棚に追加
やれやれ、と嵐君は僕の手首を見て苦笑した。
「……青司君は、こういうことはしないと思ってたんだけどな」
先程まで拘束されていた手首には、うっすらと赤い痕が残っている。外してくれたのは、嵐君だった。
「痛くない?」
「うん……、大丈夫」
合コンに参加したのが、金曜の夜。
帰宅してから土曜の夜に至るまで、断続的に彼に抱かれ続けた。
彼の追及と責め苦に口を閉ざし続け、今に至る。
「今回のこれは、どうかと思うけど。暴走しちゃうくらい、青司君、いのりさんのことが心配だったんだと思うよ」
「心配……?」
「うん。最近様子がおかしい、って。俺にだったら話すかもしれないから、うちに来い、ってこの前命令されたくらいだし」
合コンの前日うちに来てくれていたのは、そういうことだったのか。
最初のコメントを投稿しよう!