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「状況は分かったから。もういのりさんは、そいつに何言われても従わないこと。絶対、だよ?」 足元をうろうろしていた雪を抱き上げ、嵐君が念を押す。 「……分かった」 「俺も、青司君も。いのりさんみたいに純粋でも不器用でもないから。心配しなくていいんだよ」 何それ。 と僕は笑ったはずだった。 「え、ちょっと、いのりさん……っ?」 安心した途端に身体の芯が揺らぎ、僕の視界は暗転した。まるで、深い夜の底に落ちていくみたいに。 「いのりさん……!」 嵐君の声が、ひどく遠くに聞こえた。
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