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歩が店を押えた事を示すように文也に指で
OKサインを出すと文也は軽く頷く。
「急に申し訳ないが、場所を変える。
歩に続いて、タクシーで順に出てくれ。」
文也は歩の指示に従って動き出した皆に背を向け
海部を呼び寄せる。
そして、襖の上で寝転がったままの中川を顎で指す。
「水でもぶっかけて、酔いを醒まさせろ。
そしたら、タクシーに放り込んで、捨てて来い。」
厳しい言葉に中川は身動ぎを見せる。
気まずくて、身体を起こさないだけで
意外に意識はあるのかもしれない、と歩は思った。
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