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どうして私、このキラキラした人達と一緒にお弁当食べてるんだろう……。
刹那くんにお弁当を作ってもらいたいって言われてたから刹那くんにお弁当を渡したかったけど、今日全然渡すタイミング無くて困ってたけど。
こうして一緒に食べられるとは思ってなかった。
「本気で美姫天才だわ。めちゃくちゃ旨い」
「この猫型おにぎり可愛い。日比谷さん料理好きなの?」
「は、はい。両親が病院勤めなのでご飯はいつも私が一人で……」
「え?じゃあいつも一人でご飯食べてるの?」
驚く真野さんと森崎くんに困ったように笑みを返す。
それから刹那くんを見た。
「おい、この日比谷さん溺愛マシーン」
「知らなかったの?日比谷さんが一人でご飯食べてる事」
二人に問い詰められて面倒そうに息をつく刹那くん。
「……知ってる。でも美姫が『心配するな』って言うんだからそれ以上踏み込めないだろ。俺、美姫に嫌われたくないし」
「一人は可哀想だろ。明らかにそれ、一緒に居てほしいの合図だろ。女心分かってないくせに日比谷さんの彼氏面するな」
「おーい、藍那。どうして刹那にはそんなに辛辣なの?」
「わ、私は大丈夫なので!一人でも平気です。ご心配ありがとうございます」
そう言って笑顔を向けると二人は悲しそうに私を見た。
「日比谷さん、慣れてないから仕方ないと思うけど」
「え?」
「俺達の事、頼ってくれていいからね」
「!!」
「私達、もう友達なんだし。日比谷さんの親が帰ってくる時間までは一緒にいられないかもしれないけど、ちょっとでも一人の時間を減らすことは出来るから」
「真野さん……」
「放課後一緒にどこか行ったり、休みの日に出かけたり。日比谷さんが誘いたいときにいつでも誘ってね」
「森崎くん……」
二人の言葉が嬉しくて頷いてしまう。
すると刹那くんが私の頬を撫でた。
「一人でも平気、とか言わせてごめんな」
「刹那くん…」
「今日だって、あいつら騒がしかったよな。本当にごめん」
「い、いいよ!刹那くんの友達だし、無下にするわけにもいかないよね。私の方こそ邪魔だったよね、ごめんね」
そう言うと刹那くんがため息をついた。
「美姫が邪魔なわけないじゃん。むしろ俺、美姫と話せなくてイライラしてたんだし」
それで不機嫌だったのか。
納得して私は目を瞬かせた。
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