大好きな彼氏

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「な……何……?」 「別に?すげー上履きマニアなんだなーって思ってさ」 「うっ……」 何も言えなくて俯く。 刹那くんはため息をついて私に購入用紙を渡した。 「美姫」 「はい……」 「コレ書いて。早く教室行こう」 刹那くんに渡された購入用紙に名前を記入して事務員さんに渡す。 それから借りたスリッパを履いて教室へ向かった。 「美姫」 「何……?」 「俺は、そんなに頼りない?」 「え!?そ、そんな事ない!!」 「そっか」 刹那くんは少しだけ笑うと私の頭をクシャクシャ撫でた。 「今日、どっか寄って帰ろっか」 「うん」 刹那くんと一緒に教室に入る。 刹那くんは友達にすぐに連行された。 私はそんな刹那くんを笑顔で見送って自分の席についた。 本当に、刹那くんは人気者だな。 教室に入ればすぐに友達と話してる。 綺麗な女の子、カッコイイ男の子。 いつだって彼の周りには人がいる。 それに比べて、私って友達の一人もいないなんて……。 小さくため息をついて椅子に座る。 教室にいれば嫌がらせされることはない。 だって刹那くんの目に触れたくないからだろう。 一年の時からいじめは受けていた。 中学の時はまだ友達も少しはいて、楽しく暮らしていたのにな。 自分が人と話すのが苦手で、すぐに挙動不審になるから悪いんだけど。 一年の時はまだ刹那くんと付き合ってなかったし、そんな陰湿な嫌がらせを受けてはいなかったけど、刹那くんと付き合うようになってからは本当に辛い。 だからって刹那くんのせいだとは全然思ってないし、自分で解決できるならしたいって思う。 だって私は刹那くんの事が好きだし。 刹那くんに好きになってもらえたのも奇跡なんだし。 それにしても、どうして刹那くんは私を好きになってくれたんだろう? ・
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