監視~another story~

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20xx年、遠い東の島国が己の力で作り出した毒により破滅した。 国民は毒に侵されていない地域に急いでシェルターを作り上げ、生き残った感染者、非感染者共に非難し、お互いは隔離された。  毒に侵された場合、副作用により体が肥大化し、力は増すが知能が低下するというものだった。  シェルター内に毒に侵されていない家畜の動物は数種類いたが、無論それだけで全国民をカバーする事はできない。  そこで打ち出された打開策は知能が低下していないレアケースの感染者が生み出したものだった。 その案とは彼の息子(天才研究者)を心理的にコントロールし、実験、研究を重ねて新生物を作り出した。その新生物とは人の遺伝子と家畜の遺伝子を交配させた合成獣である。  原種の家畜は一部の感染者のみに支給され、合成獣の肉は非感染者へと回された。 だがこの案には欠点があった...それはクローンを作り出したせいで数十年後には栄養不足やタンパク質が著しく不足した肉が作り出されていったのである...  非感染者は苦しみ、悶え、飢餓に陥り死んで行った...しかしそれでは非感染者にとっての頭脳が消えるも同然である...そこでレアケースはある方策と一つの「噂」を非感染者の間に流した... 非感染者居住空間にて...  「なあ...俺達結婚しないか?」 そういって彼は指輪を差し出す... 「わあ!!ありがとう!!勿論です!!ところでこの指輪は?」 「ごめん...ダイヤモンドが高級品でさ...エメラルドなんだ...お気に召さなかったかい?」 「むしろこっちのほうがいいわ!!ありがとう!!」 「それでさ...最近外の世界の毒はすっかり抜けきったっていう噂があるじゃないか...だから僕達で抜け出して...楽園に行こう...」 「少し危険な賭けだけど...あなたと居られるならそれでいいわ。」 「賛成してくれてありがとう...じゃあ早速いこうか...」  そうして二人はシェルターを抜け出した...以後彼らを見た者は誰もいない... 数ヶ月後......非感染者居住空間にて... 「ゴリッ...ん?なにこれ......ちょっと!!店員さん!?」 「はい、どうなされましたか?」 「異物混入よ!!誰よ!!こんな物入れたのは!!責任取りなさい!!」 「お客様、どんな物が入っておられたのですか?」 「誰よ!!こんな緑色の石なんて混ぜたのは!!訴えてやるわ!!」
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