第2章 ヴィクトリアの町へ

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誰も色を付ける事が出来なかったのに、勇馬が次々に物に色を付けていく事が出来ていたからだ。 色のついた家では、マリーの家族の笑い声が響いていた。 マリーのお父さんは、 「こんなに楽しく思ったのは何年振りだろうか。」と言うと、お母さんは、 「ええ本当にそうですね。色が付くとこんなに明るくなるものなんですかね。」と頷いていた。 マリーは、ずーとにこにこしていた。 「勇馬、明日から大変だけど、頑張ってね。何かお手伝いできることがあったら言ってね。」と言うと、勇馬は、 「ありがとう、私の寝床と、食事をお願いできたら、とっても嬉しいよ。」と言うとにこやかに、笑顔を見せていた。 ここしばらくは、勇馬にとっていろんなことがあり、神経を使うことが多かった。 マリーと出会って、マリーの穏やかな温かさに癒されていたのだった。おかげでその夜は、勇馬は暖かいベッドでぐっすりと眠ることが出来たのだった。
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