第2章 ヴィクトリアの町へ

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次の日から、勇馬は、家の外へ出ると、家の周りから、順に色を付けて行った。 勇馬が、色を付ける時は、その場所に住んでいる動物達や、人間の思念から色を感じ取ると、それを、自分の指から色を出して、色を付けていくのだった。 森には、小さな動物から、大きな木や小さな木から、色の思念を情報として受けて、色を付けていく。 この作業は、かなり大変な作業になってくるのだった。 勇馬は、黙々と作業をこなしていく。 その横で、マリーが静かに勇馬の邪魔にならないように、勇馬の仕事を見ている。 マリーは、勇馬の指先から出る色を見つめています。 その色は、とても美しく何とも表現が出来ないのでした。 勇馬の指から出た色は、どんどんと、マリーの町に色を付けていく。 すると、色のついた家から出てきた人々は、目を輝かせています。 顔には喜びの表情が出ています。 今まで、色の失われた、町で、人々の心の色まで失われていたのに、それが、勇馬の手によって、色を取り戻した町、家、そこに住む人々が、歓喜に沸いている姿が、勇馬の目の中に映った。
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