第2章 ヴィクトリアの町へ

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そこには、黒い馬に馬車をひかせ、手綱を引いているマリーの姿があった。 勇馬は、一瞬目を疑ったが、それは、紛れもなくマリーだった。 勇馬は、びっくりしたが、とりあえずマリーが来るのを待つことにした。 どうして・・・。マリーがここに居るのか、戸惑う勇馬は、マリーが勇馬の所へ来ると、すぐに聞いてみようと思っていた。 マリーは、馬車で、勇馬の所へ着くと、馬車を降りた。勇馬に、笑顔で、 「勇馬、私、来ちゃた。私も、勇馬と一緒に旅をして、白い世界を見てみたいの。勇馬の色を付ける所を見ていたいの。お願い、勇馬、一緒に連れて行って。」そういうと、マリーは、勇馬を見つめて、哀願するのだった。 勇馬は、「マリーご両親が心配するから、お家に帰りなさい。僕と一緒には行けないよ。」と優しく言う。 すると、マリーは 「勇馬がダメって言ったって私、ついて行くからね。お父さんや、お母さんには、置手紙を書いてきたから、大丈夫よ。私、勇馬から離れないの。」と言うと、勇馬の腕にしがみつくのだった。
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