第3章 マンドリーの町

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マリーが声を掛けなければ、勇馬は、ずーと色を付け続けているのだろう。 マリーは、勇馬の身体を心配するのが自分の仕事だと思っている。 トニーの家では、トニーのお母さんがおいしいご馳走を用意してくれていた。 そして、勇馬の顔を見ると、とても喜んで出迎えてくれるのだった。 「勇馬、ありがとう。ほうら、色のついた服を着るのは久しぶりだわ。なんだか、心がふわふわしているみたいよ。」と言うと、テーブルに夕食を用意している。 トニーも妹も、とても大喜びしていた。 久しぶりに着る色のついた服は、心をうきうきとさせていた。 妹は、ピンクのワンピースを着て部屋の中でくるくると回っている。 その様子を見ると、勇馬は、心の中が温かくなってくるのだった。 そして、人々が忘れているあの笑顔を取り戻すのが、僕の使命なのだと自分に言い聞かせていた。 その日の夕食はとても賑やかなものだった。
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