第3章 マンドリーの町

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それに、何に対しても興味を示さない人々が、色が付くと色々と考える様になってきていた。 「今日は、何をしようか、」 「今日は、あの可愛い服を着よう。あの色の服がいいな。」 「今日は、誰に会おうか。」 「そうだ。彼女をデートに誘うのにどうしようか。」などと、色のない世界では、考える事もなかったことが、今では考えられるようになってきていた。 人々は、その変化に気付くと、嬉しさがこみ上げるのだった。 人々の心の躍動感は、とても言葉に言い表せるものではなかった。 言葉にしなくても、顔を見ていればわかるのだった。 それに、態度にも行動にもそれらが現れているのだった。 町の人々は、勇馬に感謝をしていた。 そして、勇馬に協力を惜しまないと言う人が増えてきていた。 勇馬は、色を付ける仕事をしながら、人々の変化に心を躍らせるのだった。
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