第3章 マンドリーの町

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人々の心が勇馬の心に、伝わると、勇馬の中で仕事への意欲となり、エネルギーを生み出す源となるのだった。 勇馬は、色を付けながら人々の心が生み出す、エネルギーを貰い受けると、さらに色を付けていくのだった。 色を付ける事に対して、勇馬は、使命感の様なものを感じていた。 そして、いつも思うのは、なぜ世界に色がなくなってしまったのかと言う事だった。 あの白ヘビは、きっとわかっていたのだろう。 世界から色が消えると言う事を。 だから、私から、この玉を預かっていたのだろう。 しかし、なぜ、生まれた時に、私の中にあのような玉があったのか、あの白ヘビはいったい何者なのか、考えれば考えるほど、不思議なことばかりだった。 何もわからない中で、私の分かったことはただ一つ、玉の力によって私の指から出る絵具だけが、この白い世界に色を付けられると言う事。 決して消えない色を付ける事、それが、私にだけ出来る唯一の事だった。
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