第3章 マンドリーの町

12/15
前へ
/102ページ
次へ
その色を付けるのがなぜ私なのかはいまだにわからない。 でも、この白い世界に、色を付け終わった時にその謎が分かるような気がするのだった。 確かに、この様な状態にならなければ、私は、人々との関係と言うものを持つことはなかっただろう。 自分の世界の中で暮らしていただろう。 あの小さな町で、小さな家で、何も知らずに暮らしていただろう。 私が、こうして色を付けているのにも、何か意味があるように思う。 それが何かは分からないが、きっと今にすべてが判明するだろう。 そんな気がする・・・。 トニーの町である、マンドリーにやってきて2週間が立とうとしていた。 勇馬は、このマンドリーの町に、色をほぼすべてつけ終えていた。 人々は、喜びに満ちていた。山の美しさや、湖の色の美しさに見とれて、また、海の近くでは、海の色に目を奪われていた。 その町の変化に、人々の心の変化も合わさって、本当にマンドリーの町は変わっていった。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加