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勇馬は、トニーに聞いてみた。
「トニー君が言った、色が付いたらやりたいことって何だい。」と勇馬が聞くと、トニーは、照れながら言う。
「実は、僕は、アンと言う好きな子がいて、その子にプロポーズをするつもりなんだよ。色のないときには、そんな事考えもしなかったよ。
でも、勇馬たちの服を見て、僕の中で、アンのウェディングドレスが浮かんだんだ。
その時初めて、僕はアンと結婚できるんじゃないかと思ったんだ。
不思議だよね。色のないときには、そんなこと考えもしなかったのにね。」と言うと、恥ずかしそうに目を伏せている。
その様子を見て、マリーが言う。
「トニー、私分かるよ、その気持ちの変化。白い世界は、人々の心を何もかもなくしてしまうんだよね。
恋心も、愛情も、何もかも無くしてしまうんだ。
私の町の人々もそうだった。
色が付いた途端、何もかもが変化していったよ。
元の様に戻ったり、もっと幸福になったりしたよ。
色が私達に本当に大切なんだと思い知らされたんだよ。」
とマリーの言葉を聞いた勇馬は、その言葉を心の中に刻み込んでいた。
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