学園

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「申し訳ありませんが、ご用がおありでしたら明日出直していただけませんか?」 声を掛けた木村に男が掴み掛かって来たのに対し、大島が鋭い蹴りを足に見舞うと男は吹っ飛んだ、しかし痛がる素振りも見せずに立ち上がった。 戸惑う大島を余所に、木村が手にしていた槍で胸を突くとそれも無視、大島が近寄ろうとしたのを木村が止める。 「近づくな、こいつ、テレビのニュースでやっていた奴等と同じ奴だ、もしかしたらゾンビかも知れない」 「え!!ゾンビ?、先輩冗談は止めて下さい」 その声を無視し木村は槍で力一杯胸を突く、今度は胸にかなり深めに刺さったが、痛がるどころか血が滲む事さえなかった。 確信を得た木村は槍で男の耳を刺し貫く、これにより男はその場に倒れたが、坂の下の方を見ると、同じような男女がヨロヨロと坂を登って来るのが見える。 オロオロしている大島に声を掛けながら門の中に押し込み、通用ドアに鍵を掛けている所に、心配した森田を始めとして6人の男子生徒がバット等を持ち、駆け寄って来る、その生徒達に木村が事情を説明した。 「あいつらゾンビだ」 「ええ!、ゾンビ?、先生酔っ払って無い?」 「普段はともかく今だけは俺を信じろ!」 そう言いながら大島と生徒達に指示を出しす、大島と生徒の1人に裏門にしっかり鍵が掛かって居る事を確認に行かせ、生徒の1人は総寮監長の渋谷(しぶたに)と残りの先生を呼びに行かせる。 残りの4人を2人ずつに分け、東西に不審者が居ないか塀沿いに確認に向かわせた。
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