キース・バクスター

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キースはため息を吐き、朝食の皿にあるエッグとパンの内、パンだけを取った。 「こいつをもらっていくぜ」 彼はパンをくわえ、家を出ていこうとする。 「お兄ちゃん、エッグは?」 「もう時間がないからな。まっ、これだけあれば十分だ」 一口だけかじると彼は今度こそ家を後にした。 ―――――――――――――― 家から5キロほどの距離にある学校を30分かけて歩いたキースは教室に入るなり椅子に乱暴に腰掛け、机に顔を押し付けた。 「…はぁ」 疲れた、そう心の中で呟く。なぜ学校がこんなに離れているんだ?毎回あの道を通っているがいまだに慣れない。 (どうにかならないものかね…) キースは内心でため息を吐く。 すると、自分の反対側から人の気配を感じた。 「おい」 偉そうな声が上から降ってくる。顔を見ずとも分かる。だからキースは寝たふりをして無視を決め込む。今までずっと走って来たのだ、こんな奴に構いたくない。 「おい!」 先ほどより強い口調で怒鳴られ更に机を蹴られた。 「ちっ!」 舌打ちを繰り出し、顔だけ振り向き机を蹴った者の方に見る。そこには案の定、ピンズがいた。顔には昨日自分がつけた傷がある。 「よお、これは昨日、俺にぼこぼこにされたピンズ君じゃないの。どうした俺に何か用か?」
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