caramel 7

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顔を上げれなくて俯いたままギュッと目をつむる。 「退いて……下さい……」 「なんで敬語なんだよ。俺言ったでしょ?普通に話してって」 「それが間違ってるって思ったから……」 「間違ってるって何?俺がお願いしてるのに間違いも何もないよ」 「と、とにかく!私はもう浅田くんに関わらないので……っ」 「そんなの納得出来るわけないだろ!?」 突然大声を出されてビクッとする。 そしてそのまま優しく抱き締められた。 「彩乃はいつもそう。なんで隠そうとするの?なんで俺の事頼ってくれないの?そんなに俺頼りない?」 「ち、違います!!頼りなくなんて……」 そんな事あるわけない。 だって私はいつも浅田くんに頼ってばかりいた。 だから離れようって決めてたんだ。 それなのにいつまでたっても浅田くんに甘えてばっかりで。 きっと何も言わないのは浅田くんの優しさなんだって、そう感じてた。 なのに……。 「甘えてたんです……っ」 「え?」 「浅田くんは優しい人だって、私は小さい時から知ってます。だから一緒にいても突き放される事はないって安心してました。実際そうでした。浅田くんは私を突き放すどころか、本当に優しくしてくれて……」 「そんなの……当たり前だよ」 「幼馴染みだからですか?お母さんが浅田くんに私と仲良くしろって言ったからですか?」 「違う」 「それならどうして……っ」 「俺が彩乃を好きだからだよ」 え……? 一瞬固まってしまう。 今……なんて……。 「ずっと彩乃を見てきた。彩乃の事だけずっと。彩乃が俺にキャラメルくれて、元気づける為に必死で笑ってくれて……。そんな彩乃を、好きにならない方がどうかしてる」 「そ……それは……っ、幼馴染み……として……」 「ううん。俺は本気で彩乃が好きだよ」 そんなの、嘘だ。 私を好きになる人なんて他に……。 そう思ってから頭に浮かんだのは柴咲くんだった。 .
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