caramel 7

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浅田くんは自分勝手だ。 私の言葉を信じようともしないくせに、自分の事は信じろって言う。 どうせまた信じたら痛い目をみるのは私だ。 もう傷つきたくない。 「俺の事……なんだと思ってんだよ……っ」 「……っ」 「答えろよ!!」 怒鳴る浅田くんが怖くて顔が上げられない。 こんな浅田くんは初めて見るから。 「嫌だ……っ」 「いいから!!俺の事どう思ってるのか言えよ!!」 浅田くんの事をどう思うか? そんなの昔から変わらない。 大切な幼馴染みで、大切な人。 初めて好きになった人。 特別な、王子様。 私は涙で濡れた顔で浅田くんを睨むように顔を上げた。 「そんなの……、好き……だよ……っ!!」 「っ!!」 「好きになっちゃうに決まってるじゃん!!どれだけ私に優しくしてくれたと思ってるの!?それが全部嘘でも、私は単純だから簡単に落ちちゃうの!!私のものにならないのは最初から分かってた!!それなのに浅田くんが優しくしてくれるから……っ!!」 涙で詰まって言葉が出てこない。 私は浅田くんの腕から抜け出した。 「っ!!彩乃……っ」 「もう私に優しくしないで!!……これ以上……好きにさせないで……っ!!」 じゃないと辛い。 叶わない事なんて分かってる。 なのに好きでいることは凄く辛いから。 「もう……耐えられない……っ」 私は急いで自分の鞄を掴んで教室から飛び出した。 .
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