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え、ちょっと待って。
社長?
お嬢様?
え?
お父さんって……。
ゆっくり顔をあげてお父さんを見る。
お父さんは私を見て優しく笑ってくれた。
それから車に乗ると、向かい合わせでお父さんは座った。
「あの……、お父さん」
「ん?どうしたの?」
「お父さんは今、何の仕事を……?」
「ああ。言ってなかったね。キャラメル菓子の専門店を始めたんだ。それが結構人気になってくれて……」
え?
キャラメル菓子専門店?
お父さんの話が頭に入ってこない。
人気になったって……。
頭の中を整理していると松門さんが口を開いた。
「社長。〇〇遊園地に頼まれていたキャラメルポップコーンなんですが、試作品が出来上がったそうです。いかがされますか?」
〇〇遊園地!?
有名な遊園地の名前が聞こえて顔を上げる。
ちょっ!?
お父さんって凄い人なの!?
驚いて固まっているとお父さんがニコッと笑った。
「ようやく、迎えに行ける自信がついたんだ。これなら誰にも文句言われない」
そりゃそうかもだけど……。
驚きすぎて笑ってしまう。
お父さんも嬉しそうに笑った。
しばらくして着いたのは豪邸。
今日からここに住めと……?
ボーッと豪邸を眺めているとお父さんに中へ促された。
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