caramel 8

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メイドさんは私にカードを渡すとそのまま頭を下げて歩いて行った。 なんでも買えると噂のブラックカード。 その真っ黒なカードを見つめて思った。 これで、秦の気持ちが買えたらなって。 何を考えてるんだ。 秦は物じゃない。 そんな事も分からなくなっちゃったの? 窓の外に広がる青空。 「……会いたいな」 ワガママで自分勝手。 そんな自分が嫌になる。 前に進もう。 「……よしっ」 とりあえず私はブラックカードを財布に仕舞ってから、叔母さんの家から運び出された自分の荷物の整理に取り掛かった。 何かしていないと余計な事を考えてしまう。 そうだ。 お父さんが帰ってきたらご飯作ってあげよう。 私は荷物整理を一旦中止してからキッチンへ向かった。 長い廊下を何も考えずにスタスタ歩いて。 .
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