caramel 8

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‐秦side‐ 体育祭の日から彩乃との連絡が途絶えた。 彩乃とちゃんと話がしたい。 彩乃は俺の事が『好き』だと言った。 俺だって小さい時からずっと彩乃しか見てない。 その嬉しさと同時に、俺の気持ちを信じてくれなかった悲しさが募る。 なんでこうなった? 俺はどうすればいいんだ? 悶々と考えながら朝、家を出る。 すると同時に隣の家から男の子が出てきた。 彩乃のいとこ、だっけ? 確か…… 「皐月……くん?」 そう声を出すと皐月くんは俺を見た。 「あ。王子様」 男から王子様と言われるのは何だか気持ち悪い。 俺は苦笑いを浮かべた。 「あの……さ。彩乃って帰ってきてる……?」 そう聞くと皐月くんは目を見開いた。 「王子様、何も聞いてないの?」 「え?」 「あいつ、親父さん見つかったからもうココにはいないけど」 いない……? 彩乃のお父さんが見つかった? 固まる俺に『ヤバイ』という顔をする皐月くん。 「あー……。まぁ、アイツも何か考えがあるんだろうけど。王子様にも言うつもりだったとは思う。急に見つかったみたいだし」 「どこに……いるの……?」 「いや。俺もそこまでは知らない。ウチのババア、アイツの家族に興味無いし」 「そっか……」 そう言うと皐月くんは頭をかいた。 「大丈夫」 「え?」 「アイツは王子様に依存しまくってたから、王子様無しでは生活出来ねーよ。いくら離れようとしてても無理。だから大丈夫。きっとまた会える」 皐月くんはそう言うとそのまま歩き出した。 なんか、勇気出てきた。 俺は少しだけ笑って学校へ向かった。 .
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