caramel 8

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学校についてまず目に入るのはテンションの低い拓達だ。 彩乃と連絡とれないんだもんな。 しかも突然居なくなったし……。 亜季の彼女は拓達に『彩乃が他の女子に嫌な事を言われたから』だと言ったらしい。 それもあるかもしれない。 だって彩乃が言っていたから。 『浅田くんが私を嫌っている事を、どうして他の人から聞かないといけないんですか!?』 嫌ってなんかない。 むしろその逆だ。 大切で、傷つけたくなくて、他の奴と話してるだけで気が狂いそうになるのに……。 こんなにも好きな彩乃を嫌う? 有り得ないだろ。 彩乃が俺に笑いかけるだけで押し倒しそうになるのに……。 俺は鞄を机に置いてから拓達の側に行った。 「おはよう。今日も一段と暗いな」 「秦……。おはよう……」 「拓、お前寝てないだろ。目の下大変な事になってんぞ?」 「なんで秦はそんな風に笑えるの?」 拓に笑いかけると、隣から蛍にそう言われた。 俺は蛍を見て少しだけ笑った。 「無理やりだよ」 「え?」 「笑ってなきゃ、気が狂いそうになる。それに、彩乃ともう絶対会えないなんて事はないから。生きてれば必ずまた会える」 「秦……」 「俺が彩乃を追い詰めた。その事実は変わらない。これは俺に対する罰であって、皆が気にする事はないよ」 そう言うと桐原が俺を真っ直ぐ見つめて口を開いた。 「浅田くんは、何も悪くないわ」 「桐原……?」 「浅田くんと彩乃ちゃんをこうしたのは、醜い嫉妬の塊よ」 桐原は携帯に目を落とすと顔を歪めてから俺の腕を掴んだ。 「ちょうどいいわ。面白いもの見せてあげる」 .
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