caramel 8

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‐彩乃side‐ 「やっぱり暇だ……」 パソコンの前で頭を机につける。 買い物でもしようとパソコンを開いたけどやる気が起きなくて、とりあえず商品をスクロールしていったけど欲しいものなんてなかった。 学校に行かないっていうのは、こんなにも暇な事なんだ。 勉強なんて嫌いだし、ずっと休みがいいなって思った事はある。 でもこれは耐えられない。 一定の時間に持って来てくれるご飯やお菓子。 部屋を出る必要すらない。 美味しそうな紅茶とスコーンを眺めてため息をついた。 「食べなきゃ、また泣かれちゃうかな……」 この間食欲がなくてお菓子を食べずにいたらメイドさんやら料理長やらに泣かれてしまった。 さすがに申しわけないし……。 私はゆっくりスコーンを食べた。 すると携帯が鳴った。 ディスプレイには『お父さん』の文字。 どうしたんだろう? 首を傾げながら携帯を耳にあてる。 「もしもし?お父さん?」 そう言うと、聞こえてきた声はお父さんではなく……。 「もしもし。久しぶり、横山」 柴咲くんの声だった。 思わず携帯を落としそうになる。 どくんどくんと心臓が鳴っていてとても気持ち悪い。 なんで? どうしてお父さんが柴咲くんと一緒にいるの? 「横山に全然連絡つかないから、おじさんから携帯借りちゃった。どうしても横山に言いたい事があったからさ」 「言いたい……こと……?」 なんだろう……。 もしかして怒られるのかな。 突然姿を消して、学校まで辞めるなんて言い出して……。 聞きたくない。 だけど、ちゃんと聞かないといけない気がした。 私は震える手を何とか落ち着かせて深呼吸をした。 .
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