caramel 8

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「あのね、横山。俺は横山が好きだよ」 「っ!!」 「横山と一緒だと本当に楽しいし、そのままの俺を否定しないでいてくれる。だから横山には学校辞めてほしくない。俺はまだ横山と一緒にいたいよ」 「柴咲……くん……っ」 「ねぇ横山。横山は、まだ秦が好き?」 そう聞かれて言葉が出なかった。 まだ好きなのは好きだ。 だけど離れなきゃいけなくて、忘れないといけなくて……。 『好きだ』と肯定してしまえば戻れなくなりそうで……。 黙っていると柴咲くんが電話の向こうで軽く笑った。 「そんなの、聞くまでもないよね。だって横山はずっと秦ばっかだもん。そんなの知ってたよ。だから俺言ったじゃん。本当は伝えるつもりなんてなかったって。俺にとって横山も秦も恩人だし、大切な友達なんだから。俺は2人に幸せになってもらいたい」 「だけど……っ。私は……っ」 「周りの事なんて無視しなよ。俺が俺のままでいいって秦が言ってくれたように、横山だって同じだよ。横山の気持ちを第一に考えて」 「でも……っ」 「いい加減にしなよ、横山。俺は横山が好きだけど、秦の事も大好きなんだ。だからいくら横山でも、秦を悲しませたり傷つけるようなら俺は許せない。素直になって。横山が今会いたいのは誰?」 柴咲くんの真剣な声。 私が会いたいのは……。 そんなの、昔から変わらない。 一番最初に思い浮かぶ人はたった1人。 「会いたい……っ」 「誰に?」 「秦に……会いたい……っ」 涙がこぼれる。 嘘でもなんでもいい。 ずっと側にいてくれた事は私にとってとても嬉しかった事。 秦は我慢してたかもしれないけど、私はずっと嬉しかった。 迷惑になるって頭では分かってたけど全然離れられなかった。 「それでいいんだよ」 「柴咲くん……っ」 「横山。そこで、待ってて」 .
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