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「うん……。まぁ……いいんだけどね?それは後からにしてもらってもいいかな?」
「す、すみません!!」
「いや、浅田くんが悪いわけじゃないけど……。でも、ありがとう。浅田くん」
「え?」
「彩乃が元気になったのは浅田くんのおかげ」
お父さんは秦に頭を下げると優しく笑って顔をあげた。
「それじゃあ、私は邪魔みたいだから出て行くよ。彩乃も浅田くんと2人でいたいみたいだし」
「っ!?」
お父さんのとんでもない発言に真っ赤になる。
お父さんは悪戯に笑いながら部屋を出ていった。
お、お父さんってば!!
いきなり何を言い出すの!?
赤くなって固まっていると秦が口を開いた。
「えっと……。彩乃」
「え?」
「その……、俺は嫌じゃないし、むしろ嬉しいんだけど……」
「?」
「このままだと彩乃の方振り向けないから、ちょっと離してもらってもいい?」
そう言われてハッとする。
私は真っ赤なまま手を放した。
「ごごご、ごめんなさい!!」
「ううん!嫌じゃないって!!」
私が放した手を掴む秦。
「その……。まだ実感できてないんだけど……。本当に彩乃、俺の彼女になってくれたんだよね……?」
「っ!!う、うん!!」
「ヤバイ……。嬉しすぎて、なんて言えばいいのか……。なんかずっと彩乃の事が好きで色々我慢してきたからかな。今、彩乃にめちゃくちゃキス、したい」
「っ!?」
「昔、さ。彩乃を元気づけようとしてキャラメルあげた時、俺彩乃にキスしちゃったじゃん」
「うん……」
「後悔はしてなかった。でも彩乃は嫌だったかなって思ってて……」
「い、嫌じゃ……なかった、よ?」
「え?」
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