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沈黙。私は言葉が出てこなかった。
「あ、ごめんね。なんか、結局私って、だめな恋愛ばかりしてるね」
先に沈黙を破ったのは愛だった。
「でもさ、やっぱり、不倫はよくないよ。だって、愛が傷つくの、もう見たくない」
そう言った私に、「不倫だけれど、私たちは本気よ」と、愛は語尾を荒げた。
「今すぐは一緒になれないけど、時が来たら、一緒になろうって、その人言ってくれてるの。彼、釣りが趣味でね、今度の日曜日、一緒に鯛を釣りに行こうって。もし、大量だったら、綾香にも分けてあげるね」
愛が、嬉しそうに話している間中、私の中で得体の知れない警告音が鳴り響いていた。
今度の日曜日、優司と映画を見に行くはずだった。でも、急な仕事が入ったからと昨日謝られた。私の作るアップルパイは優司の一番のお気に入り。それに、愛が失恋したとき、優司は相談に乗っていた。
まさか…。
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