第一章~始まりの刻~

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さわ… 静かに風のふく森の中、黒色のローブを纏った人物が佇んでいた 「…オーリャ10匹、討伐依頼、SSランク指名…」 彼の持つ依頼書にはそう書いてある…が、 彼の目の前には強靭な顎を持ち、鋭い爪を持つ茶色の魔物がおよそ2万匹 「…どこが10匹ですか?これ、僕じゃなかったら死んでますよね?」 彼──ことルミア・フィーネは溜め息を吐き出した。フードを目深に被っているため顔は見えないが、その声には呆れが滲み出していた (さっさと終わらせて、戻りましょう) 「”氷乱月華”」        ──────氷属性上級魔法”氷乱月華”《ヒョウランゲッカ》 氷の礫が乱れ飛び、礫のあたった物や魔物、人に月のようにきらめく華を咲かせる魔法である 氷の礫があたった魔物達はその身に一輪の華を咲かせていた 「…一応全て仕留めたみたいですね」 ルミアが指を鳴らすと魔物達は一斉に砕け散る 氷の破片が降り注ぐ様子は幻想的な光景を作り出していた 「帰りますか」 呟いたルミアの姿は既に無かった
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