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「ちょっとちょぉーーーーっとまって!
なんで?なんで帰るわけ?」
ようやく掴んだジャケットの裾をめいいっぱい引っ張った。
背中越しに、「ごめん、今の忘れて」と、早口で言った。
「忘れてって...」
悲痛な叫びを私は上げそうになる私に、
「俺フラれるよな?確実に」と、
それ以上に力ない溜息を彼は吐く。
「約束の日。
来なかった理由って、彼氏が出来たからだよな。
判ってる。
今更何を言っても手遅れだって」
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