キスフレ2nd kiss Vol.32(最終話後半)

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まくしたてるようにして彼はいう。 家から出ていこうとする男を抑え込んだまま。 私は首をひねった。 約束とは、どんな約束だろうか? 「約束?なにそれ?」 「ほら忘れてる。 自分でメッセージ送り付けた癖に、 あの日大聖堂に来ないって考えてみれば、最低じゃない?」 小栗が怒った調子で言った。 すぐに理解した私は反論する。 「行きましたけど? 24時間以上おりましたが? 来なかったのはそっちでしょ?」 「はぁ? 俺はあの大聖堂の展望台で一日中待ってたんですけど? 御蔭で翌日救急車で運ばれて、 死にかけたっていうのに、 来なかったのは佐藤だろ?」 救急車のサイレンの音を聞いた気もしたが、 今更引けない。 小栗が私を睨んだので、負けじと思いっきり睨み返した。
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