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「うそだねー。
展望台にあがるらせん階段の前が封鎖されてたのに、
どうやって展望台に上がったんですか?」
「封鎖?されてないけど?」
「いや、されてましたから」
「されてない。一体どこが封鎖されていたんだ?」
小栗が眉を寄せて私を見つめた。
脂汗が流れ始める。
あの日の情景を想いだす。
しかし、確実に階段の前を隔たる障害物が置かれていた。
「封鎖されてた。
上がる前にこうやって看板があって、
工事中みたいなロープも垂れ下がってたし」
私は手を広げて、その場所を説明をする。
すると彼は腕を組み、空を仰ぎ始めた。
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