もう一つのラスト

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★ 長い長い旅だった。 愛おしいバラの花から離れ、幾何の人々の心に触れた。 それでもなお、皇子は、バラの花を忘れられなかった。 遠い星にやってきても、なお、 枯れぬのは自らの心の中にあるバラへの愛だった。 皇子は、気づいた。 どんなに時が立っても、 遠い場所にいようと、沢山の人々と出会い、幸せを憶えても、 バラを忘れることなどできないと。 愛おしいバラに触れたいと皇子は願った。 星に戻る方法はただ一つ、蛇に噛まれ自らが肉体を放つこと。 皇子は選択する。 バラが待つ星へと戻るために。 そしてようやく叶ったのだ。 あの星へと戻ることが。
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