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*** あとがき<弐> ***
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三千世界の鴉を殺し
主と添寝がしてみたい
酔えば美人の膝枕
醒めりゃ天下を手で握り
咲かす長州桜花
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……カッコイイッ(≧▽≦)!!!!
これ、遊女さんの立場になって晋作さまが詠ったと言われております都都逸+αです。
「なんで鴉なん?」ってのがもしかしたら、ちょいとあるかも。
実はこれ、「熊野誓紙」と呼ばれる熊野神社の厄除けのお札、牛王宝印が元になっております。
牛玉宝印は、厄除けのお札としてだけじゃなくて、裏面に誓約文を書いて相手に渡す誓紙としても使われてきました。すっごくメジャーで、遊女さんたちが御客さんに「貴方だけよン」と誓って渡す起請文にも良く利用されたそう。
で、三千世界の鴉がどうして死ななきゃならないかというと、この誓いを破ると、熊野のお遣いの鴉が三匹死に、誓った主も、血反吐を吐いて死ぬと言われる(コワッ! 笑)そんな陰々とした面のあるお符なのでありますよ。
三千世界は仏教でいうところの須弥山を真ん中にしてこもごも集まった世界を一として、それが千個集まって、「小世界」それが千個集まって「中世界」、さらにそれが千個集まって「大世界」(子どもの絵本のお話かと思っちゃう。笑)
合計十億個の世界の集まりの事を言ってるそう。
だから、その十億個の世界ですべての鴉が死んだって、約束破ってあなたと添い寝しちゃいたいワという。
えぇ。……つまり、スケールおっきい浮気の唄です(違う! 笑)!!
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