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「佐野、桜?…あ、ロートのところの救世主?それなら、納得がいくけど……」
「それなら、って…?どういう意味?」
「だって、この世界で、数値が間違ってるとか…そんな事、教えてくれる人は居ない筈だもん。この世界では、そんな事、不要だから」
「…そう、なんだ…」
幼いゲルプでさえ、当たり前にそういってしまう事に由佳里は少し驚いた。
しかしゲルプは一瞬見せた冷たさ以外は明るく、それは夢だったんじゃないかと思わせた。
だから由佳里も触れはしなかった。
・・・・・
『助け合いのない世界……それが、この…13の支配する世界、ってところなのね…。…私達の世界では、ある意味、助け合うのは、当たり前の様な行為だけど…ココでは違う…。何だか、不思議……世界が違うんだから、価値観みたいなものとか、概念とか、そういうのも違うんだろうけど……何だか、寂しい感じね……ゲルプだって、まだそんなに年がいってる訳じゃないのに、それが当たり前の様に云うし……一人が当たり前の世界……そういうのは…何だか、寂しい…』
四話。終了。
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