第二章 動き始めた運命

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そうだったのか。 エリックは自分の思考を掠めて行った数々の疑問に合点がいった。 過去ネゴシエータを語る卑劣な男に近づき襲われかけた、このルーナという娘。 にもかかわらず、わずか二ヶ月の後に同じように現れた、別のネゴシエータである自分に、果敢にも再び弟子入りを申し入れてきたこと。 また同じ目に遭うかもしれないという恐怖に打ち勝つために、男装してまで乗り込んできたのに違いない。 そうまでして竜使いになりたいのは。───── 森の中で、白銀竜センティネルを目の前で見た時のあのルーナの反応… 「初めてか?…竜を見るのは」 と問うた自分に、ぼんやりと夢見るように、 「…どうかな、…たぶん…、」 と答えた。 おそらくこの娘は、「自らの運命」そのものに呼ばれて、俺の前に立ったのだ。 それは、 人と竜をつなぐ何らかの、宿命のようなものなんだろうか。────
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