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それを聞き、ダスティン老人はルーナを振り返ると、丸っこい目を細め笑った。
「じゃあ、弟子にしてくれるのね!?ありがとう!!」
涙を溜めたルーナの表情が眩しいほどにパッと輝いた。
「ありがとうございます!そして、ありがと、…ホントにありがと、おじいちゃん…」
ルーナは老人の首に抱きつき、その勢いで老人は少しよろめいた。
「許してくれてありがとう!おじいちゃん。あたしきっと、…きっと立派な竜使いに…ネゴシエータになる。そして、自分が何者なのか、きっと答えを見つける!だから、待ってて」
「コレコレ、苦しいぞ…、ルーナ!」
自分を抱きしめる腕の力が強すぎて、老人はそう嗜めた。
その声は少し震えていた。
「さあ、そうと決まったら、急いで支度をするんじゃ。これからとてつもない長旅になるんじゃからの。そうじゃろ?」
引き締まった声で放ったその言葉掛けは、ルーナに、というよりも自分に言い聞かせたような響きだった。
エリックは彼らのそのやり取りを見守りながら、もう一度やれやれと溜息をついた。
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