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未明のうち、エリックは旅支度の整ったルーナを伴い、老人の小屋を後にした。
森に入るまでルーナは幾度も後ろを振り返った。
灯りの漏れる窓を背に、いつまでも手を振るダスティン老人は普段よりもずっと小さく感じられ、ルーナは頬を伝う涙を何度も腕で拭った。
先を歩くエリックはルーナの嗚咽を背中で聞いていた。
この娘をあの老人から引き離して、本当によかったのだろうか。
エリックもまだ、迷っていた。
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